2014年12月15日月曜日

COP20閉幕と、ペルー滞在の最終日

こんにちは、派遣者の北です。
長かったCOY10, COP20も無事に終わり、派遣者は次々と日本へ帰国しています。
私がペルーまで一番残っております。もうすぐ帰国の途につきます。

(1) COP20の閉幕
(※臨場感をお伝えしたいので、交渉の内容についてはあまり触れていません)
今回COP20の閉幕までいたのは、CYJのメンバー3名です。
COPは会期が1,2日延長するのが恒例となっており、今年もやはり議論が難航してかなり会期が延びていました。
土曜日の夜に決着かと最初は思われたのですが、先進国と途上国のINDCの目標範囲についての意見の隔たりが埋まらず、
結局土曜日の午後11時頃に最終議長案が提出され、それが受け入れられたのが日曜日の午前2時頃でした。
私達3人は何としてもCOPの閉幕を直接見ようと会場にずっといたので、睡魔との闘いがずっと続いておりました。

COPの閉幕の瞬間は、感動を覚えました。議長が"Decision is true. All decided."と叫び、
木槌をポンと叩いた瞬間、会場から大きな拍手が巻き起こり、皆笑顔で手を取り合い喜びました。
丸々2週間ずっと厳しい交渉を乗り切ってきた交渉官や議長の笑顔はとても美しいものでした。
最後に各国・各組織の代表がスピーチをし、次のパリ会議に向けてエネルギーが移りつつあるのを感じました。



(2) ペルー滞在の最終日
COPが閉幕した次の日、リマ市内を少し観光しました。
南半球で緯度も低いので、季節は夏に移りゆく頃でした。
デパートで水着がたくさん売られている一方で、クリスマス商戦も活気を帯びていて、日本では考えられないような雰囲気を味わいました。

観光したのは日曜日ということも合って、リマ市内のアルマス広場やラ・ウニヨン通りは多くの人で溢れていました。 観光客も多く目につく一方、伝統的な衣装を身にまとった人々もちらほら見かけます。
建物は、中世に建てられたと思われる、古くて西洋の伝統的な雰囲気を保ちつつ、 その中は人々で賑わうデパートになっているというように、歴史と発展を同時に感じられる都市でした。

一方中心地から少し離れると、レンガ造りの崩れかけた家々や、木の板で張り合わせただけの建物が連なるスラムのようなエリアも広がっています。
南米の中でも比較的発展していると言われるペルーですが、 格差を残しながらの発展ということで、まだまだ課題はたくさんありそうです。

それでも、現地の人々の目には温かさが宿っている気がします。
困っている様子をしていたら気軽に声をかけてくれ、少し道端で言葉を交わしただけで 明るい笑顔を向けてくれるこの国の人々の心の暖かさに、心が和みました。

まだまだペルー国内で見足りないものもたくさんありますが、 3週間も滞在した私の結論として、また来たいと思わせてくれる国でした。
人々の暖かさ、食事の美味しさなど、心を休め、楽しませてくれる雰囲気がこの国にはあります。
日本のほぼ反対側に位置する国で、旅行するにはかなり困難が伴いますが、それだけ感動も一潮です。

さよならペルー。また会う日まで。

2014年12月14日日曜日

COP20、いよいよ閉幕!!!

みなさんこんにちは^^
国内からCOP20 をぼちぼち追っている吉岡です。

さて、ついに!熱い議論が繰り広げられたCOP20も本日閉幕しました!
このブログをお読みのみなさんも、なんだかすこし寂しいのでは?
今回のブログでは、COP20の成果のまとめをします。


COP20が閉幕。今回の議論の成果は?

おもな論点は3つ。

(1)それぞれの国が出す温室効果ガス排出削減の目標案はどうあるべきか?

2015年に合意、2020年よりスタートする新しい国際枠組みについての目標案を各国が提出することになっていましたね。COP20では、その目標案についてより具体的な議論が行われました。

①目標案として出さなければいけない、最低限の情報(基準はいつにするか? どんな計画をたてるのか? そもそも温室効果ガスってどこまでを指すのか?など)を決めました。

それぞれの国が出す目標案は、周りからわかりやすいものでなければなりません。なので、こういった情報をきちんと出すことが必要なのですね。
また、目標がきちんと温暖化を防止することに貢献しますよ、といったことも説明できるものでなければなりません。だから、こういった情報を決めておくことが重要なのです。

②各国が目標案を出し合った後に、それらの目標案を足し合わせた効果を報告書としてまとめることが決まりました。しかし、目標案を事前に評価する協議を開催することが今回決定されると期待されていましたが、一部の途上国が反対したため、叶いませんでした。

 (2)2015年合意(新しい国際枠組み)にどんな「要素」をいれるべきか?

現在、5月に「交渉テキスト」(=2015年合意の下書きみたいなもの)を準備することになっています。今回の会議では、2015年合意にどんな「要素」(これはもはや専門用語なので悪しからず…)を盛り込んでいくかについて、議論されました。

例えば、資金についてはどうするのか?排出削減だけではなく、温暖化の影響に適応していくための目標はどうするのか?2015年合意の目標は義務にするのか、守れなかったときには罰則を設けるのか?などが論点になりました。

(3)2020年までの各国の取り組みをどう底上げしていくか?

このブログをお読みのみなさんにはそろそろおなじみ(?)の2015年合意ですが、スタートするのは2020年です。つまり、それまではどうするの?ということを考えることが必要です。

今回の会議でも、どうやって2020年までの各国の取り組みをよりよいものにしていくべきかについて話し合われました。
温室効果ガス削減のさらなる取り組みの強化にむけて、専門家会合(TEMs; Technical Expert Meetings)というものがCOP19から開かれています。
ここで、専門家を集めて議論が行われたり、先進的な事例を紹介したりするのですが、その中で見出された取り組みの実施を後押しする仕組みを作ることがCOP20の主な課題でした。

結果としては、十分な仕組みのかたちを作ることができませんでしたが、今後もTEMsは開かれるようなので引き続き注目したいですね。
(参考:WWF Japan ウェブサイト)


★関連記事まとめ
『COP20、削減目標の基本ルールでようやく合意』 TBSNews 12月14日17時12分
http://news.tbs.co.jp/newseye/tbs_newseye2372174.html
『COP20 各国が提出する目標に具体性を持たせることを確保』FNN 12月14日17時45分www.fnn-news.com/news/headlines/.../CONN00282634.html
『削減目標の項目で合意=温室ガス、被害対策も-COP20閉幕』時事通信12月14日20時01分
http://www.jiji.com/jc/zc?k=201412/2014121400098&g=eco
『COP20:事前検証は見送り 自主目標ルール合意』毎日新聞 2014年12月14日 22時35分
http://mainichi.jp/feature/news/20141215k0000m040169000c.html


日本が宝石賞!?

会議のまとめからは少し外れますが、ホットなニュースなので紹介させていただきます。

化石賞…はなんだか聞いたことあるぞ、という方も、「宝石賞」ってなんだ?と思ったかもしれませんね。 じつは、交渉に後ろ向きな態度をとった国に皮肉の意味をこめて贈られる化石賞とは対照的に、交渉に貢献した国に賞賛と今後の期待の意をこめて贈られる賞が「宝石賞」なのです!COP20期間中に二度も化石賞を受賞してしまった日本ですが、ついに宝石賞を受賞しました。

ただし、日本が今回受賞したのは「あと一歩で宝石賞」。
それぞれの国の目標案を評価する協議について、NGOなどのオブザーバーもプロセスに参画させるよう主張したことが高く評価されました。
しかし、緑の気候基金(GCF;Green Climate Fund)の会議をウェブ中継することに反対したため、「あと一歩」(おしい!)という評価になったようです。


以下に、日本に関連したCOP20記事をまとめています。日本は今後どのように気候変動問題の解決に貢献していくのか。みなさんの自分なりの視点で、「気候変動問題と日本」についてぜひ考えてみてくださいね。


★関連記事まとめ

『目標提出、日本へ圧力強まる=温室効果ガス削減で―COP20』時事通信 12月11日14時59分
http://www.jiji.com/jc/zc?k=201412/2014121100510&g=soc
『望月環境相、COP20で「2050年までに温室効果ガス80%削減』NO BORDER  12月12日15時11分
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20141212-00010002-noborder-pol
『日本に初の「宝石賞」=温暖化対策、プラス評価-NGO』時事通信 2014年12月12日14時53分
http://www.jiji.com/jc/zc?k=201412/2014121200517&g=eco
『COP20:日本は縦割り、 省庁別、1国で7部屋』毎日新聞 2014年12月13日 11時24分
http://mainichi.jp/select/news/20141213k0000e040177000c.html

パリに向けて・・・

いかがでしたでしょうか。 来年のCOP21はパリで開催されます。いよいよ、新しい国際枠組みが合意される日がやってきますね。
国際交渉は身近な話ではないかもしれませんが、これからもわたしたちが住み続ける地球、そしてこれからの私たちの暮らしと、とても大きく関係しています。
一連のブログを読んで、少しでも気候変動交渉に興味を持っていただける方が増えたのなら幸いです!

以上、COP20交渉ブログでした!

★もっとしりたい人向けに…COP20 情報おすすめサイト
 会議場通信”Kiko”も読めます♪
気候ネットワーク ウェブサイト COP20/CMP10 リマ会議http://www.kikonet.org/international/unfccc/cop20/

交渉の流れがわかりやすくまとまっています。今回の記事も参考にさせていただきました。
WWF Japanウェブサイト 
「国連気候変動リマ会議(COP20・COP/MOP10)閉幕:国別目標案の準備が本格化へ」
http://www.wwf.or.jp/activities/2014/12/1239514.html

国立環境研究所 社会環境システム研究センター 久保田 泉氏からの現地レポートがアップされています!
JCCCA(全国地球温暖化防止活動推進センター)ウェブサイト COP等(国際会議) レポート
http://www.jccca.org/trend_world/conference_report/cop20/

わかりやすく会議の進捗が分かる、「リマ通信」が読めます!
CASA(地球環境市民会議)ウェブサイト 気候変動枠組条約 締約国会議(COP)に関するページ
http://casaletter.blog52.fc2.com/blog-category-4.html

2014年12月13日土曜日

ユースのエネルギーの源〜アジアユースを通じて〜


いよいよCOPのクロージングが始まろうとしています。
ここでは、Asian Youth Climate Network(AYCN)の活動を振り返ります。

アジアユースとしては、COY10 (Conference of Youth) やCOP20でのサイドイベントで各国での経験・政策への意見交換を活発に行ってきました。アジア以外の地域の多くの参加者を迎え、多様な視点によって有意義なディスカッションをすることが出来たと思います。

COY10 台湾主催のサイドイベントにて発表

COP20 公式サイドイベントにて発表

また、ミーティングを重ねる中、来年に中国でAsian Power Shiftというイベントの開催を決め、準備段階に移ることが出来ました。

ネットワーキングの意義はなにか?AYCNの長期ゴールをどのように達成し成果を出すか?ーーまだまだ議論すべき点は残っています。

しかし、各国から集ったユースの皆さんの熱意が、AYCNを大きく動かしていると思っています。
あるユースは、AYCNの強化をCOY・COPに行く第一の目的と定め、自らの役目を必死で問い続ける日々を送っていました。
では、ユースの皆さんを突き動かしているものは何か?それは、将来世代の一人である自覚から生まれる、「自分が行動しなければ!」との強い決意だと感じています。

気候変動という難題を前に、”アクションしたとしても、果たしてうまくいかないのではないか?”ーーそのような問いの存在が、時に行動を制約してしまうことがあります。しかしAYCNの活動を通じて出会ったユースは、失敗を恐れず、各々がリーダーシップを発揮されていました。変化を生み出すためには、そのような力強いイニシアチブが大切であることを感じました。





COP20がまもなく閉幕します

こんにちは、派遣者の北です。
COPは予定の12日終了を下馬評通り延長し、13日まで議論がもつれ込みました。
主なテーマは、ADP(ダーバンプラットフォーム特別作業部会)における'Finance'、'Scope'です。
具体的には、(1)グリーン気候基金(GCF)、(2)INDCの適用範囲のことです。

(1) グリーン気候資金(GCF)について
COP16で採択されたカンクン合意(2010)で設立が合意された基金のことで、それがようやく100億ドルに達したことが今話題になっています。
しかし、2020年までには年間1000億ドル集めるようにするのが当初の目標だったのですが、
それまでのロードマップが中々はっきりしないことから、議論が13日の昼間でもつれ込んでいます。

(2) INDCの適用範囲について
INDCは「各国の自主的な約束草案(経産省訳)」のことで、2015年第一四半期までに各国が提出することが期待されています。
しかし、先進国の多くが緩和中心の案にしたい一方で、途上国の多くは適応やCapasity Building、Financeなどの分野も含んだ
案にすることを求めています。
これは、途上国で気候変動への被害が大きい島嶼国や熱帯地域の国で特に強い意見で、
気候変動の影響に対して早急に適応しなくてはいけないというその国の切実な事情もあります。

上の2つ以外にも様々な論点がありますが、
交渉は夜になっても中々妥協点を見いだせず、結局現地時間の13日夜3時まで交渉を続けるという
かなりタイトなスケジュールが組まれています。
私達は、次の日に備えて早めに帰りましたが、そんな時間まで議論を続けなければいけないという気候変動交渉の厳しさに改めて驚かされました。


今この記事を書いているのは、現地時間の13日15時頃です。
ちょうどADPのクロージングが終了、COPのコンタクトグループの最後の?会合も終わり、あとはCOPのクロージングを待つのみになっています。
クロージングの最後の、議長が木槌をポンと鳴らすクライマックスを見届けるため、最後まで交渉を見届けます!

2014年12月12日金曜日

こんばんは!
今回は国内から見て、COP20の進展や位置づけについて書きたいなと思います。
詳しい会議の進捗状況等は、実際に参加しているメンバーがタイムリーに伝えてくれているので、少し歴史にも触れたいと思います。

日本時間は既に1213()に入ってしまっていますが、COP20開催地であるペルーは日本との時差が14時間あるので、まだお昼前・最終予定日の交渉が始まったあたり・・といったところでしょうか。近年の会議は半日以上延長して終了するということが多くなっているようで、明日のブログを更新されるときにもまだ会議が終わっているかがわかりません・・・
きっと今日の夜から深夜(明け方!?)まで交渉が続くことかと思います。派遣者の皆にも最後の正念場、体調に気を付けて頑張ってもらいたいものです!また会議の成功を祈っています。
今週は前半から閣僚級会合が始まり、日本から望月環境相が参加することで少し話題になりました(ブログでも一度取り上げたものです)
国内でも、交渉の進捗度合い等を各メディアが報道しているニュース等を通じてうかがい知ることができます。その中で気になったものに焦点を当てたいと思います!

アメリカが先進国に行動を促す (Yahoo ニュース)
中国が積極姿勢強調 (NHK
中国の電源構成見直しについて (日本経済新聞)

日本のメディアなので、日本の動向に関しては頻繁に取り上げられていることは勿論ですが、他にもアメリカや中国に関する報道がやや目立ちます。これはGDP1位、2位の国であるから?というわけではありません。逆に環境先進国というイメージのあるEUについて詳しく触れてある記事はあまり見受けられません。
さて、なぜこの2国が多く取り上げられるかというと、ズバリ国別の二酸化炭素排出量が1,2位の国であり、米中が合意できるか否かが成果文書の合意の可否に大きくかかわってくるためです。今世界でもっとも二酸化炭素を排出している国は数年前から中国になり、次いでアメリカ、インド、ロシアと並び、日本は世界第5位です。またアメリカ・中国・インドの3ヶ国だけで世界全体の排出量の約半分を占めます。詳しくは次のサイトに見やすく資料がまとめられています。
http://www.jccca.org/chart/ (全国地球温暖化防止活動推進センター)
日本も世界全体排出量の4%を占める大排出国のうちの一つということがわかりますね。(数字で表してしまうと小さく見えますが)


気付いている方もいるかと思いますが、この記事中でアル・ゴア氏(映画「不都合な真実」で有名?)の発言でも言及されているように、中国やアメリカが気候変動問題解決の推進に取り組んでいるような状態が見られます!
これは数年前では考えられないことでした!例えば、アメリカは“京都議定書”から脱退したことは耳にしたことがある人も多いと思います。また中国に関しては近年大気汚染の問題等がよく取り上げられていますね。自分が気候変動交渉を少しかじりだした時は、途上国として先進国の削減行動や支援を求めるグループのトップのような存在であったように思います。現在では、交渉に関わるグループもめまぐるしく変化・多様化しています。


これからも世界の情勢は激しく変化していくと思いますが、その中でも今回の合意(?)のように気候変動問題解決の後押しとなるような出来事が増え、既存の気候変動に関する対策も長期的視点で実施されていくことを望むばかりです。

2014年12月10日水曜日

デンマークだより①

 今回はデンマークの首都、コペンハーゲンより、デンマークの環境に対する配慮についての記事をお届けします!

環境境対策先進国として名高いデンマークは、地球温暖化や気候変動に対しての取り組みが盛んに行われています。気候変動枠組条約第15回締約国会議(COP15)ではデンマークが議長国となり、コペンハーゲンでの会合を主催しました。

再生可能エネルギーの利用や風力発電が盛んなのもデンマークの特徴で、「エコ大国」としてデンマークの名前を聞いたことがある方も多いかもしれません。

このような国際的な活動のほか、デンマークではリサイクルや自転車通勤をはじめとする身近な活動も盛んです。

今回は、私がコペンハーゲンでデンマーク人家族と過ごしている間に感じた、身近なエコ・環境問題対策、特にリサイクルやごみ分別について書きたいと思います。


図1:アパートのリサイクル可能製品のゴミ置き場
図1は私の住んでいるアパートの敷地内にあるリサイクル可能製品のゴミ捨て場で、奥からプラスチック、紙、段ボール、手前の小さなボックスは電池を含むバッテリー用です。更に、スーパーマーケットにはリサイクルマークのついたビン、缶、ペットボトルを返却するための機械(図2)があり、素材や大きさに応じてキャッシュバックが受けられます。この他輸入品などマークのないビン専用の回収ボックスもあり、色付きのビンとそうでないものを分けて回収しているところもあります。



図2:スーパーに設置されている返却機械。
日本でも牛乳パックやペットボトルの回収ボックスがあり、私の通う大学のゴミ箱も燃えるゴミ、燃えないゴミ、ペットボトルといった分別がなされています。しかし、野菜や果物を買ったときについてくるボックス、コンビニ弁当やサラダなどの容器といったプラスチック製品をきちんと分別している人はあまり見かけないように思います。これらのプラスチック製品を分別し、リサイクルするシステムがデンマークに比べ遅れているとも言えるかもしれません。

 私がこちらへ来て驚いたのは、ほぼすべてのデンマーク人が面倒だと思わずに分別を行っているという点です。スーパーでペットボトルや瓶を返却すると返金がありますが、その他紙やプラスチックのリサイクルは人々の意識なしには達成できないものです。

こちらに来たばかりのころ、私はうっかりトマトの入っていた薄いプラスチックのボックスを通常のゴミと同じところに捨ててしまい、一緒に住んでいるデンマーク人のお母さんに注意されたことがありました。この出来事を通して、デンマーク人にとってリサイクルはして当然で、リサイクルをしないことを見過ごすことはできないのだと感じました。

地球環境センター調べによると、リサイクルによってリサイクルせずに燃やしたり埋め立てたりした場合にごみ処理のために排出される温室効果ガスと、リサイクル製品が作られなかった場合に同等の製品を作るために必要となる燃料消費や資源消費に伴う温室効果ガスの排出を抑えることができ、これはリサイクルをする際に排出される温室効果ガス、すなわち分別して収集・回収するための燃料消費に伴う温室効果ガス、回収した再生原料から再生製品に加工するために必要な燃料消費に伴う温室効果ガスの値を上回っています。更に、石油を利用して作られるプラスチック製品やペットボトルは燃やしてしまうと温室効果ガスを発生させる上、有限資源と言われている化石燃料である石油を同時に消費します。
 
 たかがリサイクル、されどリサイクル。
 こうした小さな動きを、日本をはじめとする他の国々にも広めて行ければと思います。


ひまわり

過激なアクションに遭遇

 今回のCOPも8日目を迎えました。派遣者は連日個人の興味に沿ってサイドイベント・交渉・パビリオンイベントに参加しています。
 
 サイドイベント・パビリオンイベントでは交渉と同じく様々なテーマで行われています。資金(Finance)、減災(Disaster Risk Reduction)、炭素市場(Carbon market)、二酸化炭素地下貯留(CCS: Carbon-dioxide Capture and Storage) など多岐に渡ります。5日に行われたサイドイベントで個人的に興味のあるCCSについて聞いてきました。簡単に説明すると、火力発電所等において発生するCO2を分離・地下貯留するというものです。
CCSで回収したCO2の利用方法には、
1.光合成に用いバイオマスを作る
2.オイルサンドにCO2を通すことで取り出しにくい石油を採取する(これをCCS-EOR (Enhanced Oil Recovery)と呼びます)
といった2があります。


 イベント名は"The ability of clean fossil and non-fossil energy to fulfill sustainable development goals" (持続可能な開発目標を達成するためのクリーンな化石燃料と非化石燃料の特徴) で、持続可能な開発に対し各々のエネルギー源の良い点・悪い点を考え、クリーンエネルギー・技術が如何に貢献できるかを探るという趣旨です。
 
 連日石炭を中心とした化石燃料に対する否定的な意見が聞かれるなか、中東の方がクリーンな化石燃料について何を喋るのか興味がありました。ちなみに、中東地域は水不足に苦しむ国が多く、気候変動が進むことによりますます雨が降りにくくなることが懸念されています。石油産業という自国の経済とそれが生み出す水不足の促進というジレンマに直面しています。
 
 中東の石油会社の方が語っていたのは、CCS-EORを行うことにより産出量が増え、企業(国)が潤うと同時に地下貯留で大気中のCO2濃度に影響を与えない素晴らしい技術だ、ということでした。

 化石燃料に対し批判的なアクションを行っていた人はこれをどう受け止めるのでしょうか。埋めるので許容するのか、それとも石油を使い続けることが再生可能エネルギーへのシフトを妨げるものなので批判的に捉えるのか、それとも全く別の捉え方をするのか。COPというと排出量削減というイメージを持つ方もいるかと思いますが、サイエンスから提供された情報をどのように解釈するのか、技術といかに向き合うかといった考えを共有・議論する機会も提供されています。
 
 




 さて、COP会場では毎日趣向を凝らしたアクションが行われています。あの有名な化石賞も数あるアクションの一つで、昔から継続して行い今では多くのメディアに取り上げられるまでに至っています。アクションを行うには気候変動枠組条約の事務局に申請する必要があり、以下で紹介するアクションも許可されたものです。

 8日の昼 ユースによる大きなアクションが行われました。写真はそのときの様子です。テーマは石油を筆頭とする化石燃料産業への批判です。

Corporate Capture≠Solution

石油会社が連携し独占することは気候変動の解決策にならない。つまり、既存の産業体制のままでは気候変動を食い止めることはできないというメッセージです。

Get Fossil Fuels Out of COP 
化石燃料をCOP会場から追い出そう
 
石油業界への批判的なメッセージ 


化石燃料会社を追い出そうというシャツ。Shellを名指しで批判するメッセージも


ナイジェリアの方(青い服)が石油産業への意見を演説

 このアクションも含めClimate Justice=気候正義 という言葉を多くのアクションで聞きます。一方的に危害を加えるような行為を許さない姿勢が強くでています。
 企業を名指しで批判するアクションは初めて見ました。それだけでも個人的にはインパクト十分でしたがさらに続きました。表向きにはこれでアクション終了でしたが、希望者を連れてパビリオンイベントの部屋に押し掛けることに。その部屋ではShellの方が講演をされていました!
 殺到する人々、それを追いかけるメディアと野次馬、100人以上が一つの部屋に押し掛け軽いパニック状態に。警備員が駆け付け一触即発と言っても差支えない雰囲気になりました。
 人の気迫はすごい!こうしたアクションは影響力があると感じた一方、誰の目にも明らかな状態で攻撃するスタイルは日本には定着しそうにないとも感じました。このアクションによりShell、石油業界はどのように変わっていくのでしょうか。この程度では何も変わらないのでしょうか。


部屋に押し掛ける人々。通路も埋め尽くされた