2010年12月8日水曜日

交渉グループについて

気候変動の国際交渉では、
自国の立場等が類似した国や地域が集まって交渉グループを作り、
そこで集約した意見を代表の国が主張することがあります。




例えば、ある国の政府代表が、
「●●グル―プの代表として発言いたします」
とスピーチ冒頭で話した場合、
そのグループ内で意思統一ができており、その代表の国が発言していることになります。
(グループの統一の立場とは別に、その国だけの立場で発言することもよくあります)



交渉グループがあることによって、
立場の似た国と情報交換・意見交換を行うことができたり、
時間が節約され国際会議の運営が効率的になったり、
発言力の小さい国が政治的影響力を強めたり、
交渉戦術・戦略を洗練させることができたりします。



【有名な交渉グループ】
・アンブレラグループ
  EU以外のいわゆる先進国(アメリカ、日本、カナダ、オーストラリア、ノルウェー、ニュージーランド、アイスランド、ロシア、ウクライナ)グループ。ゆるやかな連携グループで、必ずしも統一的な主張をもっているわけではありません。

  EU
   ヨーロッパ連合に加盟する27カ国によるグループ。6ヶ月ごとに議長国を持ち回りで担当し、共同で提案を行っている。EUの議長国は、1月から6月、7 月から12月という半年の任期で、加盟国の間で順番に交代する。





  G77China
  途上国グループ。1964年にUNCTAD(国連貿易開発会議)のプロセスにおいて設立。現在加盟国は130カ国を超える。この途上国グループの中には、アフリカ諸国が集まるアフリカグループや、後発発展途上国(LDC)、小島嶼国連合(AOSISなども含まれる。途上国間でも経済格差が広がっていること、温室効果ガスの排出量に大きな差があることなどを背景に、G77Chinaとしてのまとまった発言に加え、利害関係が一致する小さなグループでの主張が大きくなってきている。特に、中国は独特の存在感を持っている。



  後発発展途上国(LDC)グループ
  国連による世界の国の社会的・経済的な分類の一つで、アフリカ、アジア地域の48カ国。これらの国々も気候変動の悪影響に非常に脆弱。 


  島嶼国連合(AOSIS
  国土の海抜が低い国や、島国が42カ国参加するグループ。海面上昇など地球温暖化の影響にもっとも脆弱な国の集まり。


  OPECとアラブ諸国産油国グループ
  「地球温暖化対策をとることによって化石燃料消費が世界的に減るために、経済的に悪影響を受ける」、「地球温暖化の悪影響だけでなく、地球温暖化“対策”による悪影響への対応も必要」と補償を要求している。






参考
全国地球温暖化防止活動推進センター(JCCCA



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