2016年1月26日火曜日

【連載:「パリ協定」は世界を変えるの!?】 第7回:世界からパリ協定を見てみると!?

【連載:「パリ協定」は世界を変えるの!?】
第7回:世界からパリ協定を見てみると!?

こんばんわ!
アドボカシーチームの島崎です。
今夜は世界中の「パリ協定」への反応をまとめてみました!
英語の記事ですが、ぜひチェックしてみてください!



●入口的な記事
・“Short answers to hard questions about climate change”
【コメント】身近で面白い。難しい質問だけど、ちゃんと応えてるのが◯。読者が自分で疑問を投稿できるところもいい。
http://www.nytimes.com/…/science/what-is-climate-change.html
・ ”What climate change looks like”
【コメント】ビジュアル付きの記事
http://www.nytimes.com/…/2015-paris-…/type/change-visualized

●解説的な記事
・ ”To achieve Paris climate goals, U.S. will need new laws”
http://www.nytimes.com/…/to-achieve-paris-climate-goals-us-…

・”Paris Climate accord is a big, big, deal”
http://www.nytimes.com/…/paris-climate-accord-is-a-big-big-…
ぜひチェックしてみてください!
これにて、【連載:「パリ協定」は世界を変えるの!?】
シリーズは連載終了となります。ご拝読ありがとうございました。

【連載:「パリ協定」は世界を変えるの!?】 第6回:日本中が注目!パリ協定に対する反応は!?

【連載:「パリ協定」は世界を変えるの!?】
第6回:日本中が注目!パリ協定に対する反応は!?

おはようございます!
アドボカシーチームの岩澤です。
今日は、「パリ協定」に対する日本中からの反応をまとめました。
多くの人々が「パリ協定」に注目しています!
気になる記事を、ぜひチェックしてみてください!

●パリ協定への反応
・NHK、「視点・論点 「COP21とパリ協定」」
http://www.nhk.or.jp/kaisetsu-blog/400/234515.html
・BBC、「COP21、パリ協定を採択 温暖化対策で世界合意」
http://www.bbc.com/japanese/35086174
・毎日新聞、「COP21 米中主導「画期的な合意」 パリ協定「緩さ」には批判も」
http://mainichi.jp/articles/20151214/dde/041/040/039000c

●COP21後の気候変動政策
・autoblog、「カルロス・ゴーン氏、「EV市場における我々のリーダーシップは誇れるが、まだ十分とはいえない」と発言」
http://jp.autoblog.com/…/ghosn-while-i-m-proud-of-our-ev-l…/
・ニッセイ基礎研究所、「COP21「パリ協定」が日本に迫るもの~原発再稼動・増設の是非と再エネ普及に伴う国民負担増~」
http://blogos.com/article/150643/

次回は「世界からパリ協定を見てみると!?」です!

【連載:「パリ協定」は世界を変えるの!?】 第5回:途上国への「資金支援」!

【連載:「パリ協定」は世界を変えるの!?】
第5回:途上国への「資金支援」!

こんにちは!
アドボカシーチームの針谷です。
今回はパリ協定の解説の一環として、先進国が途上国に行う「資金の支援」について紹介します!



●途上国の排出削減を、先進国が支援する
いわゆる「発展途上国」の中には、技術力や資金の面から自力で排出削減を行うことが困難な国もあります。京都議定書では、いわゆる「先進国」が削減義務を負ったのに対し、中国・インドを含む途上国には削減義務が課されず話題となりました。
しかし、途上国だからといって温暖化対策をしなくてよいわけではありませんし、すでにそんなことも言ってられないほど、温暖化は進んできています。
そこで今回のパリ協定でも、先進国が途上国に対し、温暖化対策資金を提供することが義務となりました。

●支援金額には「法的義務」はない!
そうなると、日本に住む私たちは
「いったいいくら出すことになったの?」というところが気になります。
実はこの具体的な金額については、COP21の中でも最後まで対立が続いたテーマで、パリ協定には明示されませんでした。つまり今回は、各国には「◯◯億円の支援をすべき」といった義務づけはなされなかったことになります。
ただ協定本体とは別の「決定文書」には「2025年に先立って、1000億米ドルを底値とした新たな資金目標を設定する」と記述があり、この金額を目安に再び話し合いを行い、金額を決定していくことになりそうです。
また文書には途上国からの資金援助についても記述があり、今後途上国の中からも支援を行う国が増えていくことが期待されます。

もちろん温暖化対策は日本だけで行うのではなく、途上国を巻き込みながら協力することが必要です。資金を提供するからには、「それが確実に排出削減につながるのか?」という透明性が大切になってきますね。

次回は「日本中・世界中が注目!パリ協定に対する反応は!?」です。

【連載:「パリ協定」は世界を変えるの!?】 第4回:排出削減の「5年サイクル」!

【連載:「パリ協定」は世界を変えるの!?】
第4回:排出削減の「5年サイクル」!

こんにちは!
アドボカシーチームの津田です。

今回は温室効果ガスの排出削減目標の「5年サイクル」について紹介します!



●各国の排出削減目標の達成は「法的な義務ではない」!
京都議定書では、先進国のみが自国の目標を達成することが「法的な義務」でした!
しかし、目標が達成できなければ国際法違反になり罰則があったため、嫌がったアメリカや途上国は京都議定書に参加しませんでした。
しかし、パリ協定では全ての国が温暖化対策に参加することが重要です。
そこで目標達成を「法的な義務」にする代わりに、「5年サイクル」で自国の目標の作成し、達成できたかを検証されることになりました!

●「5年サイクル」で対策は数十年規模で続く!?
大学で学生は「半年ごと」に授業を受け、定期試験やレポートで「実際に身についているか」を試されます。
パリ協定で全ての国は「5年ごと」に排出削減の目標を提出し、その目標が「実際に達成できたのか」を「検証」されることになります。
このことで、法的義務付けがなくても、各国は検証をクリアするために目標を達成しようと努力するということです!
このサイクルが5年、10年、15年…50年…と続いていくことで、各国は半永久的に排出削減目標を作り、対策を強化することになります!
このことで、「21世紀後半中に世界全体の排出量実質ゼロ」を達成するための土台が出来上がったのです!
日本も今後、このサイクルの中で削減に積極的に取り組んでほしいですね!

次回は「日本中・世界中が注目!パリ協定に対する反応は!?」です。

【連載:「パリ協定」は世界を変えるの!?】 第3回:「今世紀後半に、排出量は実質ゼロ!」

【連載:「パリ協定」は世界を変えるの!?】
第3回:「今世紀後半に、排出量は実質ゼロ!」
こんにちは、CYJアドボカシーチームの岩澤宏樹です!

この連載は、気温目標、緩和の長期目標、緩和の5年サイクル、資金支援、適応、損失と被害の6項目について解説します。今回は2点目の「緩和の長期目標」についてです。

パリ合意(Paris Agreement)4条1項の要約は以下の通りです。
・できる限り早く排出量のピークを迎える
・今世紀の後半中に排出と吸収・貯留のバランス(排出=吸収・貯留)を達成する。つまり、実質排出量は0になる。

「今世紀後半に人為的な排出と温室効果ガス吸収をバランスさせるために、急速な削減を行う」
(to achieve a balance between anthropogenic emissions by sources and removals by sinks of greenhouse gases in the second half of this century)と書かれています。つまり、将来的に「実質排出0が記載された」 ことを意味します。

COP21終了時の様子(写真右側が、議長国フランスのファビウス議長)

この目標はIPCCで2度目標のために必要とされている科学的根拠のある目標であり、「世界は将来化石燃料を使わない再エネ中心の社会へ移行する!」というメッセージであります。
田村賢太郎氏(IGES)によると、「パリ協定の最大の成果は、化石燃料に依存しない社会(低炭素社会)作りに向けて世界が動き出すことを、長期的シグナルとして社会、特に民間企業に対して発信したこと」としています。
このように、世界全体の今後の流れとして実質排出ゼロが打ち出されたことは、政府・企業・市民社会等の各アクターが低炭素化に向け動いていくことを意味します。世界の方向性を示したのがパリ合意4条1項であるといえるでしょう。

*参考
・IGES「COP21が2020年以降の新たな国際枠組み「パリ協定」を採択:
成果と課題」 

【連載:「パリ協定」は世界を変えるの!?】 第2回:気温上昇を「2℃/1.5℃未満」で食い止めよ!

【連載:「パリ協定」は世界を変えるの!?】
第2回:気温上昇を「2℃/1.5℃未満」で食い止めよ!
こんにちは!
アドボカシーチームの津田です。
今日はパリ協定の中でも「気温目標」に注目したいと思います!



●2100年には気温が4.8℃も上がる?
みなさん、現在世界の平均気温はどれくらい上昇していると思いますか?
世界気象機関によると、現在世界の平均気温は産業化以前より約「1℃」上昇しています!
たった1℃ですが、すでに途上国では水没や豪雨により深刻な被害が出ています。
IPCC第5次評価報告書は、このままでは世界の平均気温は今世紀末には最高で4.8℃上昇すると予測しています。


深刻な被害を防ぐには気温上昇「2℃」未満に抑えることが必要だと言われています。
しかし、すでに被害を受けている途上国はこれでは不十分だと「1.5℃」未満を主張しました。
「1.5℃」を達成するには、現在の化石燃料主体の社会からの大転換が必要です!
しかし、今回のパリ協定では「2℃目標」「1.5℃目標」が記載されました!
つまり今後、世界の対策は「2℃/1.5℃目標の達成」のために行われます!
これは「起こってからでは遅い、今すぐの大きな対策が必要だ!」という世界へのメッセージです!

第3回は「今世紀後半に、排出量は実質ゼロ!」です。

【連載:「パリ協定」は世界を変えるの!?】第1回:「パリ協定」って何やねん?

【連載:「パリ協定」は世界を変えるの!?】 
第1回:「パリ協定」って何やねん?


こんにちは、アドボカシーチームの津田です!
昨日12/12に歴史的な温暖化対策の国際法「パリ協定」が採択されました!
でも、その内容は、分かりくいです…
ということで今日から2週間、パリ協定を「めっちゃ分かりやすく?」解説したいと思います!

●パリ合意は何が歴史的なの?
今回のポイントは3つです☆



① 世界 “196か国” が参加
今回の協定には、世界196か国全ての合意を得ました!
たった一か国でも合意しなければ協定は採択できないことからも、その難しさが分かります。実際、2009年には一度合意に失敗しています。

② 2020年以降、全ての国が排出削減に取り組む
今回の合意では、アメリカ・中国・インドから小さな途上国まで全ての国が排出削減に取り組みます。ついに世界全体が温暖化を食い止めるべく一つになったと言えます!

③ 法的拘束力のある協定
法的拘束力のある国際法なので、守らなければ国際法違反になります!
つまり、パリ協定は「全ての国が温暖化対策を"行う"義務を定めた国際法」なので、歴史的なんですね!

この詳細については、第2回以降で見てみましょう!

2016年1月4日月曜日

Planetary Health 〜責任ある消費のすすめ〜


こんにちは!COY11Tokyo実行委員の久保田彩乃です。私はCOY11Tokyoで「Planetary Health」というセッションの講師を務めました。私は普段は医療を学んでいます。そこで今回は健康×気候変動のテーマでお伝えします!

Planetary Healthとは?】

Planetary Healthとは人間の活動が地球に与えた影響と人間の健康との関係性から、地球全体の健康を扱う学問です。とても簡単に表現すれば、「私の行動が地球環境と私の健康にどう影響するんだろう?」ということです。
少し歴史をさかのぼって考えてみます。人間が地球上に現れる前、生物のエネルギー源は太陽だけでした。そして地球上に存在するもののみを食べていたため、すべての物質が循環していました。
この自然生態系に人間が加わるとどうなったでしょう。人類生態系は自然生態系と大きく二つの違いがあります。一つは太陽以外のエネルギー源を生み出したことです人間は化石燃料や核燃料により、地球上のエネルギーの流れを変化させ、地球温暖化をもたらしました。もう一つは食料生産を自ら行ったことです。本来、生物は地球上の食物の量をコントロールしませんが、人間は家畜を飼い、農業を営むことで食料を地上に新たに生み出し、生態系を大きく変化させました
他にも人間は森林伐採を繰り返し、農地や都市を開拓しました。さらに、自然にはなかった物資を作り出し、使い、環境中に使い残してきました。これらの物質は自然に分解できないものがあったため地球上に溜まり、環境汚染を引き起こしたり人間の健康を脅かしました水銀やカドミウムなどが原因の公害問題はみなさんもご存知かと思います。
図で表すと下のようになります。人間の活動は人間自身の健康と地球の健康に影響を与えます。人間が健康になれば地球も健康になるというわけではなかったのです。


Boyden’s Biosensitivity Triangleを基にした図です。



【私の買い物が砂漠化を引き起こす?】

もう少し具体的な例で人間の活動と健康の関係性を捉えてみます。
近年、主に中国から飛来する黄砂が日本でも問題になっています。中国では砂漠と砂漠化の危機に瀕している土地を合わせると国土の1/4以上にもなります。
砂漠化の原因は気候的要因と人為的要因がありますが、近年では人為的原因がかなり大きいと言われています。人為的原因の一因に過放牧があります。特にヤギの過放牧が進んでいますが、ヤギは草を根まで食べつくしてしまうため、土地が荒れ、砂漠化の深刻な原因になります。しかし、ヤギはカシミヤの原毛になり多くの利益を得られるため、人々はヤギを放牧するのです。世界のカシミヤ原毛生産量のうち、中国産は全生産量の約7割を占めています。
日本人はカシミヤを多く消費しています。そして、日本人は黄砂の影響で、健康面では心臓血管系疾患や気管支疾患を患ったり、洗濯物や車、農作物が砂まみれになるという被害を受けています。



【私たちが普段からできることは?】

私たち人間の行動で環境を破壊し、自分たちの健康にも影響を与えるということは、私たちの行動で環境破壊を食い止め、健康を守ることもできるかもしれません。
ここで、私が実際に日常から行っている取り組みを紹介します!



着るということ
カシミヤの例のように「あなたが何を着るのか。」ということも重要です。
日本は衣類の約95%以上を中国などからの輸入に頼っています。その輸送過程でたくさんの二酸化炭素を排出しているのですこの二酸化炭素は気候変動にも影響を与えます。
私は衣類を買うとき原産地や原料にもこだわります!

食べるということ
私たちは毎日食べて生きています。例えば牛肉を食べるという一つの選択も地球温暖化と関わっています。牛はメタンガスという強力な温室効果作用をもたらす物質を排出します。メタンガスの年間排出量の16%が反芻動物のゲップによるものです。さらに5%が家畜の糞尿からです。牛は現在世界で13億頭いますが、牛1頭は年間約75kgのメタンを排出しています。
そこで私はベジーマンデーという取り組みをしています。毎週月曜日に肉は食べず、野菜を美味しく楽しむ日を設けています。 私が週に1日肉を食べないだけで、車の走行を1700kg節約することと同じ効果があるそうです。これは400kgの温室効果ガスを抑制するのと同じことです
ベジーマンデーの詳細はこちら!(COP21でアーノルド・シュワルツネッガー氏もおすすめしたそうです!)

私たちは消費することで生きています。
私たちはこの大量消費の社会の中で、今こそ「責任ある消費者」になるべきだと私は思います。
どこかの誰かのために、ではなく、今のあなたのためにクールな消費をしませんか?

【参考文献】
The Rockefeller Foundation Planetary Health

Australian National University  The Transition to a Biosensitive Society

独立行政法人国際協力機構 砂漠化する惑星

株式会社 野村総合研究所  平成20年度アジア産業基盤強化等事業報告書
http://www.meti.go.jp/report/downloadfiles/g90415a01j.pdf

ベジーマンデージャパン
http://veggiemonday.japanteam.net/index.htm