2016年11月22日火曜日

COP22 海外ユースとの交流

CYJはCOPの派遣先で海外のユースとネットワークを広げる活動をしています。
COP22でも、アジアユースをはじめ欧米、アフリカのユース達と交流しました。

下の写真は、中国ユース主催の勉強会に参加したときの写真です。













海外ユースと会話をしていると、自国のユースとの議論のなかでは得られないような気づきが得られることがあります。この勉強会の後に中国のユースと話をしていたのですが、多くの中国ユースは中国の政治家の気候変動政策に対して比較的前向きな感想を持っていました。

もちろん2℃や1.5℃目標のためにはもっと対策を前に進める必要があるという認識はあるのですが、中国は再エネへの投資や国の目標であるNDCについても積極な姿勢・ビジョンを持って政策を進めていることを彼らは評価していました。

確かに中国は世界最大の排出国として、パリ協定の発効についてもリーダーシップを発揮しました。さらに再エネの輸出国としても大きな役割を果たしています。

もちろん、大気汚染問題や外交的な理由もあるのでしょうが、中国の政治家には気候変動政策を積極的も進めていこうという意志が感じられます。

一方で日本の政治家には、日本のユースとしてはあまり強いビジョンや意志を感じることはないなあと改めて感じさせられました。

気候変動は、長期的なビジョンを必要とする政策です。
政治家がビジョンを示すことは極めて重要だと思います。一方で、若者がどんなビジョンを持っているのか、そのビジョンを達成するために必要なことは何か、必要な活動を今できているか、改めて振り返る必要がありそうです。




国際社会におけるYouth の役割

こんにちは。今日はCOPに参加してみて感じた海外ユースの力強さと、それを支える制度について書きたいと思います。世界のユース(特に欧米系)は日本ユースが学ぶべき活動をたくさんしています。また、社会的・制度的にもユースが重要なステークホルダーだと日本よりはずっと認められているように感じました。




左の写真 はClosing the emissions gap - for pre-2020 action というアクションで、COP会場内でユースが中心になって行われていました。

各国が提出している温室効果ガス削減目標と1.5℃シナリオの間にあるギャップを埋める必要があることを訴えていました。






次の写真は、ユースの活動にもっと資金面の援助が必要だと訴えています。ユースには能力があり、もっと資金面での援助があれば、もっと大規模な活動ができることを述べています。

発展途上国、先進国問わず様々な国のユースが集っています。





このように、ユースがアクターとして多くのアクションを主導しています。ユースが行うアクションは元気がよく活気がある印象でした。



また、YOUNGOというUNFCCCによって公式に認められている世界のユースのグループは、
COPの議長と対話を実施する機会を得たり、意見書の提出を行ったりしています。

YOUNGOの一つのワーキンググループが今年のCOP期間中に提出したペーパーでは、世界各国が提出したNDC(Nationally Determined Contributions)に教育や若者の観点が含まれているのかどうかを独自に分析しています。

下の図は、その分析結果が地図としてまとめられたものです。濃い色がマークされている国ほど高いスコアを獲得しています(評価が高い)。ちなみに日本は教育や若者について言及がほとんどないと評価されています。


YOUNGO ACE WG Nationally Determined Contributions Analysis より引用。


このように、グローバルな舞台ではユース(若者)が自分たちも重要なステークホルダーであると自覚し、意見を発信し、活躍しています。



次の写真は、ユースがパリ協定特別作業部会(APA)という会議のオープニングセレモニーでスピーチをしている姿です。正式な会議のオープニングセレモニーで様々な立場のNGO等がスピーチをするのですが、そのなかに「ユース、若者」がしっかり含まれています。




若者が気候変動問題にとって重要なステークホルダーであると社会的に認識されています。


国際社会では、ユースは自分たちの役割や能力について自覚し、着実に行動しています。また社会としても、ユースに意見を述べる機会を提供しています。



日本においては、まだまだユースが重要なステークホルダーだという認識が社会的に足りないのでしょうか?また、ユースとしても自分たちの役割について自覚や活動が足りないのではないか?と考えさせられました。

以上です。


2016年11月21日月曜日

COP22 中小企業の世界への挑戦!


株式会社 鳥取再資源化研究所 ご担当者様へのインタビュー記事 

こんばんは!COP会場には様々な企業のブースがありますが、今年はアフリカ開催だからなのか日本企業はあまり見かけません。

 そんななか、鳥取再資源化研究所という鳥取の中小企業が出展されていました!! http://www.t-rrl.jp/

廃ガラスをリサイクルした発泡ガラスという商品を乾燥地域の農地に利用することで、節水と収量増加が期待できるようです。 社員9名という少人数ながら、県や鳥取大学等と協力して、世界の乾燥地帯にビジネスを展開されています!!

COP会場に来て、世界のビジネスは気候変動をまさにビジネスチャンスとして捉えていることをひしひしと感じます。 鳥取再資源化研究所さんのような企業がどんどん増えていくことを期待したいと思いました!




 









鳥取は砂丘があることもあり、乾燥地研究が進んでいます。その知識、知恵の蓄積を官民一体になって事業化し、世界へ広げる素晴らしい取り組みだと感じました。
(以下は毎日新聞の記事) http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20161112-00000047-mai-soci

日本の各地域にある固有の生態系、気候、文化、とその地域研究を活かした世界への挑戦というのはとてもロマンがあります。 例えば、鳥取なら乾燥地、滋賀なら湖沼。という風にです。

 気候変動対策の文脈で、"緩和"と"適応"という2つの言い方があります。 温室効果ガスの排出を、減らして影響を緩和するのは重要ですが、どうしても生じてしまう影響に適応していくことも必要です。

そして、その"適応"は、一つのやり方を世界に広げるのではなく、まさに各地域それぞれ固有の生態系や文化への深い理解を必要とします。 その多様な問題を、世界や国の規模ではなく、地域と地域が、つながることで問題を解決していく。そして、そこにビジネスチャンスがあるのでは? と思いました。

2016年11月14日月曜日

【COY12での主な活動・COP22に向けて】

こんにちは!

2016年11月にモロッコ・マラケシュで開催されるCOY12/COP22の派遣メンバーのツカポンです。COY12初日からCOP22三日目まで参加したところで、私は翌日の朝に帰国することになりましたので(大学の授業の関係により)、これまでの振り返りをここに書き記します。

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COY・COP共に初参加である私は、以前もブログで書いたように不安を抱えながらの参加となりました。国内政策や国際交渉の流れはインプットしてきている一方で、COY・COPに関しては会場のイメージや会場の雰囲気、スケジュールなどは体感的に殆どつかめていませんでした。実際に参加してみると、下調べしてもどうにもならないな、という感覚を覚えたこともしばしばあります。会場やスケジュールなどは開催国のユースや政府によって変わってくるので、その場その場で適応せざるを得ないのかなと思います。

COY12ではインタビューやWorkshopへの参加及び、YOUNGOのミーティング参加が主な活動となりました。CYJにとって最も意味のある活動となったのは、やはりYOUNGOによるYoung Delegation Program参画のための提言書作成活動でしょう。ただ、CYJがこのプロジェクトに参加した時点で、プロジェクトは大きく前に進んでいたので関与の程度は低いと言わざるを得ませんでした。しかしこの状況は、Youth Delegation Programに強い関心を寄せるCYJとしては好ましくありませんので、COP22期間中に毎日行われるYOUNGOの会議や各Working Groupの活動に、密接に関わっていくことに決めました。

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COP22が始まってからは、APAやSBIなどをはじめとする会議に参加し、情報を取りに行く日々が続きました(一日目から二日目はでは、議論は殆どなされなかった)。ただしすべての会議に出てすべての情報を網羅するには、あまりにメンバーの数が少なく、記者ブリーフィングで他のNGOの方々の発表を基に交渉の流れや内容をまとめることになりました。Youth Delegation Programについてはヨーロッパユース(Youth Delegation Programを利用してCOP22に参加)と繋がりを作ることには成功したので、あとは現地にいるCYJメンバーがYouth Delegation Program参画への戦略を練っていくことになっています。

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COP22はまだまだ続きます。CYJが国内の政策提言活動で活用できるものを成果として持って帰るために、Youth Delegation Program参画を容易に推し進めるために他国ユースとの連携やメディアとの繋がりは、重要な要素となり得るでしょう。現地メンバーと国内組とが力を合わせて、COP22後半の活動をより意義のあるものにしていきます。

【COP22初日!!会場はどんな感じ?】

こんにちは!

2016年にモロッコ・マラケシュで開催されるCOY12/COP22の派遣メンバーの桐畑です。11月4-6はCOY(Conference of Youth)に参加していたのですが、11月7日ついにCOP22が開幕しました!!ここでは、COP会場がどんな感じか?私達なりに説明したいと思います!!

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ブルーゾーンにてThe AAA initiativeの展示に見入るメンバー

COPの会場はブルーゾーンとグリーンゾーンという二つのゾーンに分かれています。ブルーゾーンには、「会議場」「パビリオン(国などによる展示)」「サイドイベント会場」が、グリーンゾーンには「企業やNGO、様々な団体の展示」があります。

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会議場の様子

“国際会議って政治家や官僚が交渉する場じゃないの?なぜこんなにたくさんイベントをしているの??”と思いませんか??私はCOPに参加してみて最初に驚いたのが“多様性”です。COPでは、多様な立場の人が参加して気候変動に関わる多様なテーマについて情報発信や問題提起をしています。

国の代表だけでも、「先進国の代表」「今まさに経済発展している新興国の代表」「最貧国と呼ばれる国の代表」。それだけでなく、ノンステートアクターの重要性もCOPでは大変重要視されています。例えば、「NGO」「ビジネス」「先住民の人々」「若者」等などが挙げられます。

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ブルーゾーンのサイドイベント会場にて先住民の支援を行う団体のブース

パリ協定では、今世紀末までに排出と吸収をバランスさせるという意味において実質排出ゼロを目指すことになりました。ゼロカーボンの未来をつくるには、全ての主体の気候変動対策への参加が欠かせません。また、気候変動による台風等の影響は、インフラが整っていない途上国の方が深刻であると考えられます。字が読めない人、女性、子供、障害のある方など社会的に弱い立場の人には特に配慮が必要です。このように気候変動の影響は、世界各国それぞれ異なり、多様な主体が関わっていく必要があると言えます。

多様性と異なる状況への配慮が必要だと感じました!

以上です。

【COY12での主な活動・COP22に向けて】

こんにちは!

2016年にモロッコ・マラケシュで開催されるCOY12/COP22の派遣メンバーのツカポンです。 11月4-6日の3日間開催されるCOY12には、Climate Youth Japanから桐畑(キリちゃん)と塚本(ツカポン)の2名が派遣されています。二人ともCOY・COPへの参加は初めてですので、期待と使命感に胸を膨らませる一方で、一抹の不安を抱えながらの参加となりました。

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COY12初日では、午前中にCOY12のRegistrationを現地で行い、午後からはCOY Africa主催のWorkshopに参加しました。また、他国のユースからインタビュー(e.g.活動内容・特定の気候変動政策に対するポジション、東京オリンピック低炭素化へのメッセージ等)を頂き、我々とは全く違った方向性や指針を基に気候変動に取り組んでいるユースの存在を知りました。さらには、彼らとのインタビューを経て、CYJに足りない事項や補っていかなければならない事が沢山あることに気づかされました。また、思いがけないところで他国のユースからインタビューを受けることもしばしばあり、CYJの活動理念を再確認させられる場にもなりました。 COY12二日目から三日目にかけて、YOUNGOのミーティング・ワークショップへの参加が主な活動となりました。YOUNGOのミーティングでは、Youth Delegation Programmeの促進のための提言書(COP22期間中に国連事務局に提出)作成に関わりました。

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COY初参加の二人が会場についてまず行ったことは、会場内の位置把握と情報収集です。迷路のようなマラケシュ市内の中にある会場に着くことさえ一苦労で、会場についてからはプログラム(ワークショプ、レクチャー、ミーティング)の時間や開催場所を一つ一つ調べなくてはなりませんでした。なぜならCOY12のホームページにプログラムに関する情報が一切記載されていなかったからです。レクチャーにおいても、殆どのレクチャーはフランス語で行われたので、内容を全く理解することができないという大きな問題も発生しました(参加者数に比べて翻訳機の数が圧倒的に少ない)。 加えてYOUNGOとの活動は、CYJの活動の幅を広げる意味で(Youth Delegation Programmeへの参画の促進計画など)、更にCOP22に関する有益な情報を享受できる機会にもなり、実に意味のある活動となりました。COY12で広げたユース間のネットワークを活かし、COP22ではより精進します。

2016年11月9日水曜日

できることはまだまだある。未来は切り開く!

こんばんは。

Climate Youth Japanの廣岡睦です!
今日は、次期アメリカ大統領にトランプ氏が当選したというニュースが速報で流れました。
今後の気候変動対策には、どんな影響があるのでしょうか・・・?
心配です。

特にこう強く感じたのには、理由があります。
昨日、ナショナルジオグラフィックチャンネルで配信されていた
地球が壊れる前に(原題:BEFORE THE FLOOD)」を観たのですが、
その中で、トランプ氏が気候変動に対してとても懐疑的な発言をしていたからです。

動画の中で、トランプ氏が以下の様な発言をしていました。
今日はすごい寒い!
どこが温暖化、どこが気候変動なんだ
こんなに寒いのに。温暖化とやらを呼んでこい!」←その後会場から喝采...

うーん。
今後の気候変動政策・国際社会がどうなるか不安。。。

一方で、私はこのムービーを観て、とても勇気づけられました。
“私たちにできることはまだまだある”と。

気候変動の影響が世界中で出ていて、困っている人がたくさんいて、
「本当に世界って変えられるの!?」
「このままだと、地球ってどうなってしまうんかな。。。」
と、恐怖感絶望感を感じた人もおられると思います。
でも、私はなぜか希望勇気自分たちの可能性を感じ取りました。

自分でも不思議なかんじ。

気候変動問題に興味を持って、自分でできることを始めたのが10年ちょっと前です。
まだまだ未熟やけど、でも10年続けてきたってすごく自信にもなって、
「次の10年、まだまだできることはあるぞ!」
「大きな壁ほど挑み甲斐があるやん!!」
と、今感じています。

COP22に行っている仲間を始め、国内外で自分たちのフィールドで活躍する仲間が
たくさんいて、みんなで挑むからこそパワーが出てくるかんじですね。
さ、COP22の情報もフォローしながら、明日からも頑張るぞ!

Climate Youth Japan
廣岡 睦

2016年11月6日日曜日

【COPに参加して、いま思うこと。】

こんにちは!2014年に南米のペルーはリマで開催されたCOP20の派遣メンバーのなこです。
今回は、過去のCOPでの経験を振り返って、今にどう影響しているかをお伝えしようと思います。

私がCOPに"派遣されたい!"と思った理由は、何か行動を起こしたいと思ったという、実に短絡的なものでした。ずっと、気候変動や環境問題に興味があったものの、実際に何も行動に起こせず、うずうずしていた時にCYJの活動を知りました。

だからこそ、いざ派遣となると知らないことが多く、専門知識のない自分が国際会議に行く意味などあるのだろうかと何度も思い悩みました。が、結果的には行ってよかったと思っています!



COP会議では、関心のある会議を傍聴したり、インタビュー活動を行ったりしました。また、現地の会場へ向かうバスの車内で途上国の政府の方々と隣になり、
「途上国へは、先進国より先に気候変動の影響が及び、すでに被害を受けているの」
という話を聞けました。自分がまさにその解決のための"現場"にいることに身が引き締まる思いがしたのを覚えています。

とは言え、こんな私が国際交渉の明日を担うことが急にできるわけもなく、COPでは現場を見て、勉強する、以上のことはできなかったと思います。
ただ、その前段階で行われた若者版COP(COY: Conference of Youth)にも参加したことで、同じ問題意識を持つ同世代の人々と意見交換できたのはとても刺激的でした。世界の様々な地域から集まった若者が、気候変動や環境問題の対策を改めて問い直し、自分たちの目指すべき将来について議論し、友人としてつながりを築くことができました。



私は現在、東日本大震災の被災地にある高校で英語の教員をしています。3年前のあの国際的な舞台からは遠い世界のようにも思えますが、震災で様々な経験をした生徒たちの成長に、間接的にでも私の経験を活かし、今度は"次世代へのつながり"に繋げられたらいいなと思います。

参加したあと、この経験をどう"つなげるか"が大切になってくる。そう改めて感じる今日この頃です。