(※本記事は細心の注意を払いCOP16の成果について解説を試みましたが、万が一間違い等を発見された場合は、climateyouthjapan2010[at]gmail.com ([at]を@に置き換えてください)までご一報いただけると幸いです。)
COP16では、KPの延長や新たな枠組み作成に関する議論は、COP17に持ち越すことが決まりました。「引き続き議論すること」が決まったのです。これは一見すると、何も決まっていないように見えますが、国連下における多国間決議の限界がささやかれていた状況においては、信頼を回復させ、議論に活気を呼び戻すという点において非常に重要なことです。
また、未だ法的拘束力は持たないものの、コペンハーゲン合意の内容をtake note(留意する)ではなく、decisionとして採択できたことは大きな成果です。
例えば、カンクン合意は以下のようなことを含んでいます。
<AWG-KPにおける合意文書>
l 第一約束期間と第二約束期間の間に空白が確実に生まれないようにするために、できるだけ早く、AWG-KPが作業を完了し、CMPが採択することを目指すべきであることを賛成する。
l IPCCが評価した最低レベルを達成し、潜在的損害を限定的にするためには、附属書Ⅰ国は全体として、2020年までに1990年比で排出量の25~40%を削減する必要があることを示す。
l 附属書Ⅰ国によって申告された、定量化された経済全体の排出削減目標が実行されることを留意するが、この目標は自国の同意のみで次期削減目標を決定できる締約国の立場や権利を予断するものではない。
l 附属書Ⅰ国に排出削減の野心レベルを上げるよう促す
<AWG-LCAにおける合意文書>
l 排出量をできるだけ早く減少に転じさせるために締約国は協力するべきであることに賛成する
l 温暖化の影響への対応を手助けする「カンクン適応フレームワーク」を設立する。
l 技術支援や情報共有などを通じて活動を強化する適応委員会を設立する。
l 2010年から2012年にかけて300億米ドルに達するほどの新しい追加的な資金を供給する先進国の共同の義務を留意し、途上国の需要に対応するため、2020年までに合同で結集した年間1000億米ドルという目標を、意味のある緩和行動と実効の透明性の文脈で、先進国が約束することを認識する。
l 発展途上国の温室効果ガス削減策を支援するために「グリーン気候基金」を設立する。
l 先進国は、NAMAの準備と実行、またその改善された報告のために、資金面・技術面・能力開発面において改善された支援を提供するべきであることを決定する。
l 国際支援を求めるNAMAの記録するため、資金面・技術面・能力開発面における支援をこれらの行動へ合致させることを促すために、登録簿を設立することを決定する。
l REDD+に関する活動は、森林の多機能や他の生態系を考慮すべきであり、活動の際は、先住民族や地域社会の人々の知識や権利に対する尊敬が奨励・支持されるべきであることを支持する。
<今後のLULUCFにおける合意文書>
l 森林、植林、森林伐採・回復、森林経営などの定義は第一約束期間と同じでなければいけないことを賛成する。
l 2011年2月18日までに、附属書Ⅰ国が森林経営の参照レベルに関する情報を事務局に提出することを提案し、これは技術的に評価されなければならず、結果はCMPで熟慮されることを決定する。
COP17は、法的枠組みが無い空白期間を防ぐための最後のCOPとなります。KPは延長するのか?アメリカや中国をはじめとする途上国は法的枠組みに参加するのか?日本はどういう態度に出るのか?カンクン合意に法的拘束力を持たせることはできるのか?非常に多くの争点が存在するCOP17は、南アフリカのダーバンで開催されます。まさに歴史が変わるときになるでしょう。
私達、Climate Youth Japanも新たなメンバーと共に引き続き会議を追い、日本ユースのプレゼンス向上に努めたいと思います。パソコンの前のあなたも一緒に新しいスタートを切ってみませんか?
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