さて、syotax0113 さんより、Twitterを通じて次の質問をいただきました。
@CYJ_COP 「緊急的かつ実効性のある対策を協働して講じなければならない。」とありますが、CYJさんとしては、どのような案をお考えなのでしょうか?何かおありでしたら、教えて頂けますか?勉強足らずですみません。
まず、回答に入るまえに、ご質問をいただき、ありがとうございます。CYJではカンクンに滞在しているメンバーが随時Twitterで国際会議の様子やユースの活動についてつぶやいているので、みなさまぜひフォローしてください。何かあれば気軽にリプライしてくださいね。
shotax0113さんがどれくらいのレベルの具体性をもった「案」を想定していらっしゃるのかはわからないですが、CYJのメンバー全体として、声明についてはコンセンサスをとってありますが、2013年以降の気候変動対処のための次期国際枠組みの案を、詳細に共有しているわけではありません。ですから「まだCYJとしての案はない」というのが最も誠実な答えになると思います。
それはCYJがまだまだ発展途上で、国際交渉について勉強中であるからでもありますが、「この声明をベースにshotax0113さんのように気候変動に関心をもっているユースのみなさんと『緊急的かつ実効性のある対策』とはどうあるべきかを議論したいから」でもあります。ぜひ、ご意見やアイディア、疑問などあれば、TwitterやFacebook、メールなどを通じてCYJまでお寄せください。
質問に直接答えているわけではないですが、声明に関連して、僕の個人的に考えていることを少し書きます。
声明の中で言及している指標でいえば、「地球平均気温の上昇を工業化前より摂氏2度より下に抑えること」と「最新の科学的知見をもとに長期目標を強化すること、ただし1.5度の選択肢も視野に入れる」というのがCOPのDecisionになれば最低限の「前進」にはなる(少なくとも後退ではない)のかなと思っています。コペンハーゲン合意には、("工業化前に比して"という文言はありませんが)2度という数値は入っていますし、最新の科学的知見をもとに長期目標を強化するということも言われていますが、あくまで「留意するという決定」の形だったので、これが「決定」の形になるのであれば、COP15から、わずかながら進んだことになるとは思います(それが環境十全性の観点から必要十分であるかは別ですが)。
気候変動の悪影響に脆弱な国や、CAN Internationalなど、1.5度を主張しているところもあります。それに、11月29日のAWG-LCAの交渉テキスト(FCCC/AWGLCA/2010/INF.1)では「摂氏1度より下」、「摂氏1.5度より下」、「摂氏2度より下」というオプションが書かれています。僕自身はまだ1.5度で法的文書に合意できるほどの研究成果の共有は進んでいないのではないかと思いますので、「もっと高い目標を!」「いやその目標を選択するには科学的知見がまだ足りない」という議論をするより、とりあえず2度で合意しておいて、同時により高い目標に変更する可能性ももたせておくというのが(声明でいう)「緊急的」に対策を講じる(=とりあえずカンクンで一定の合意をする)ためにありうる方向ではないか、と思います(予防的アプローチの観点からは批判可能性がありますが)。
ちなみに、11月24日の議長ノート(FCCC/AWGLCA/2010/CRP.1)では摂氏2度となっていますね。こんな状況をみると、結局は2度に収れんしてゆくのではないかと思います。しかし、先進国が一定以上の削減や資金のコミットメントを示さないと、脆弱な国は簡単に2度目標でいいですよとはならないでしょうから、結局のところ2度目標だけでなく他のイシューとのつながりとバランスが必要ですよね。しかし、そのバランスがどこに落ち着くのかは僕には到底予測できません。
ちなみに、11月24日の議長ノート(FCCC/AWGLCA/2010/CRP.1)では摂氏2度となっていますね。こんな状況をみると、結局は2度に収れんしてゆくのではないかと思います。しかし、先進国が一定以上の削減や資金のコミットメントを示さないと、脆弱な国は簡単に2度目標でいいですよとはならないでしょうから、結局のところ2度目標だけでなく他のイシューとのつながりとバランスが必要ですよね。しかし、そのバランスがどこに落ち着くのかは僕には到底予測できません。
実効性(effectiveness)については、国際関係論の国際レジームの議論がある程度参考になると思います(たとえば山本吉宣(2008)『国際レジームとガバナンス』有斐閣、第4章第3節)。議論する上で重要になるのは、実効性があるとかないとかいうとき、何をもって実効性があるとみなすのかということですよね。一般的な議論ではそこが定義されないまま話が進んでいるところがあるような気がします。なんとなーくですが。今回のカンクン滞在期間中に考えを深めていけたらと思っています。
さて、僕は12月4日に日本を出て、単身カンクンに向かう予定です。
ドイツのベルリン中央駅。何時間も遅れました。 ほんま寒かったです。(撮影:いよだ) |
一人での移動には少々恐ろしい思い出があります。それは、2年前のCOP14の話です。
COP14の時も一人でポーランドへ移動だったんですが、途中のドイツの駅の乗り換え時、真冬かつ真夜中なのに、電車の到着が超遅れて凍死するかと思いました。当時は泣きそうでしたが、今では、まあ、いい思い出です。
いい思い出ですが、実際に出発間際になると不安になりますね。今回も大丈夫とは限らない。無事カンクンに到着できればよいのですが。メキシコは半袖でも十分なくらい暖かいそうなので、少なくとも凍死することはないというのは安心要素です。
0 件のコメント:
コメントを投稿