(※本記事は細心の注意を払いCOP16の成果について解説を試みましたが、万が一間違い等を発見された場合は、climateyouthjapan2010[at]gmail.com ([at]を@に置き換えてください)までご一報いただけると幸いです。)
2. KP延長に関する日本の強硬な反対
「いかなる状況及び条件の下でもKPの附属書には目標は絶対に書き込まない。」
「第一約束期間の仮延長や第二約束期間の設定を示唆するCMP決議は
絶対に受け入れない」COP16は、2週間ある会期初日に日本のこの発言により、
最初から紛糾しました。
日本は、この発言の理由として、KPはアメリカや中国などの大量排出国が
削減義務を負っていないため、今や世界の排出の約27%しか
カバーしていないという状況を挙げています。
しかしながら、前節でも述べたように、この暗雲が立ち込めた中で交渉を推し進めるためには、
各国が建設的に協調することが重要です。
温暖化の影響を特に受けやすい島嶼国や後発途上国、アフリカ諸国などは、
KPの下で先進国が2013年以降も約束を持つことを条件に、
米国、(中、印を含む)途上国の約束を別の新議定書で約束し、
「KP+新議定書」で全ての国の「参加」を確保しようとしていました。
日本の発言は、実効的な枠組みを作ろうとするこのような努力が一切見られず、
多くの国から批判を浴びました。
そのため、日本のこの強硬な発言に対して、世界の500以上の環境団体が
参加するNGOネットワーク「CAN」が、最も後ろ向きな発言をしたとして、
「本日の化石賞」の単独1位を日本政府に贈りました。
この状況を危惧して、Climate Youth Japan代表廣瀬は外務省に声明を提出し、
前向きな交渉を訴えました。
しかし、松本龍環境大臣が到着後もこの姿勢に変化はなく、
12月8日に再び化石賞の1位が日本政府に与えられました。
この際、Climate Youth Japan声明担当である私、佐藤が代表して賞を受け取りました。
そして、翌日の12月9日に佐藤は環境大臣に直接声明を提出し、
再度交渉に柔軟な姿勢で臨むよう訴えました。
▽次の記事へ [3. 透明性とコンセンサス]
http://cyjclimatenegotiations.blogspot.com/2010/12/cop16-3.html
▽分からない略語は・・・COP略語集
http://cyjclimatenegotiations.blogspot.com/2010/12/cop_20.html
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