2010年12月7日火曜日

COP16の折り返し地点・日曜日の会議

Hola!いよだ@カンクンです。
僕は12月4日(土)の深夜にカンクンに到着し、今日でCOP三日目。そろそろCOPの
リズムに適応できてきた頃かなと思います。
これまでのCOPの状況や感想等、少しずつお伝えしていきます。

COP16の会議場外観。南国リゾート!って感じです。




▼12月4日(土)24:00
さて、4日(土)の深夜に現地に到着した僕を待っていたのは、ちょっと不思議な

ニュースでした。なんと、日曜日にもCOPの会議(COP議長による非公式会合)が開
催されるというのです。
これまで僕が参加したCOP(バリ、ポズナン、コペンハーゲン)では日曜日は基本
的に会議場は閉め切られていたように思います。バリでは、インターネット環境を
求めて長い距離を歩いて行ったのに門がしっかり閉まっていて切ない思いをしたも
のですが、、、。それだけ交渉を進めたい議長の意思があるのでしょうね。



到着直後のミーティング。ひろせくん酔っ払い



日曜日のカンクンメッセ。人少ないです。

▼12月5日(日)11:50
実際に会議場に入ってみると、かなり人が少なく、まばらな状況でした。コペンハ
ーゲンの時は人が多くてまっすぐ廊下を歩けませんでしたが、今回は少なめ。「日
曜日は休みやし、観光できるやろ!」と思ってツアーの予約を入れていた人もいた
のではないでしょうか。
11時開始予定でしたが、実際には11:50頃になってようやく会合が始まりました。


まず、COP議長が現状の総括や、提案を行いました。各イシュー毎に協議をしても
らうということで、途上国から1国、先進国から1国を選び出していました。例えば
、ブラジルとイギリスは京都議定書問題を担当、ニュージーランドとインドネシア
はMRVを担当、というように。
火曜日の午後からHigh level segmentが始まるので、それまでにこれらの国々が
相談をして成果を出してくださいねということです。


それに対する各国の反応には「国家主権の原則を尊重すべき」、「透明性を確保し
なければならない」といったものがありました。これは、昨年のCOP15コペンハー
ゲンでも最終局面で非常に話題になったことです。
交渉を効率的に進めるには、約200か国でああでもないこうでもないと丁々発止の
議論をするより、少数の国で集まって議論して草案を作成した方がいいです。早く
できますから。しかし、効率性を重視して少数国での草案作成が追求されすぎると
(追求されたように思う国が出てくると)、「自分の国は草案作成の場に呼ばれな
かった」、「自分の国とは違うところで議論が進められた」、「ないがしろにされ
たんちゃうん?」と考える政府が出てきます。
昨年のコペンハーゲンは、この透明性のプロセスに問題があるとして、最終局面で
ベネズエラなどの国々(ALBA等と呼ばれます)が反発し、合意に至るまで揉めに揉
めたという経緯があります。今回のCOPの議事進行には、コペンハーゲンで混乱し
た記憶が、多かれ少なかれ、良くも悪くも、相当に影響しているように思いました




COP議長による非公式会合の様子。休日なのにお疲れ様です。

しかし、それでも交渉を前に進めようという発言も見られました。最も大きい拍手
を受けていたのは、コロンビア政府代表の発言でした。彼女は、「みんな前に進め
なきゃいけないことはわかってるでしょう」、「昨日私は『eco』を読みましたが
、」、「具体的な成果を出すために一体何回もの国際会議を開かなければいけない
んでしょうか?」、「コペンハーゲンの亡霊はもう過去のものですよ」、「とにか
く排出量を減らしていかなければならないのです」等といった話をしていました。
こういった経過を見ていると、会議の実質的な議論だけでなく、議事進行の「うまさ」も会議の成果に大きく影響しうるなと感じますね。

個人的に思ったのは、今回の会議の会場はかなり分散していて、サイドイベントをやったり展示をするカンクンメッセ」、報道関係者が作業するオフィスのあるメディアセンター、国際会議を実際に行う「マヤ」、「アステカ」という建物の間の移動はすべてバスで行わねばなりません。しかも、バスでも結構時間がかかります。片道30分くらいかかるので、一日にかなりの時間をバスの中で過ごすことになります。このブログの記事も、バスの中で書きました。大変な交渉・会議ですが、何とか"Balanced outcome"が成立してほしいところですね。


さて、いかがでしょうか。
何か質問などあれば、Twitterなどでレスポンスしてくだされば可能な限りお答えしますので、よろしくお願いします。

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