今回のCOPも8日目を迎えました。派遣者は連日個人の興味に沿ってサイドイベント・交渉・パビリオンイベントに参加しています。
サイドイベント・パビリオンイベントでは交渉と同じく様々なテーマで行われています。資金(Finance)、減災(Disaster Risk Reduction)、炭素市場(Carbon market)、二酸化炭素地下貯留(CCS: Carbon-dioxide Capture and Storage) など多岐に渡ります。5日に行われたサイドイベントで個人的に興味のあるCCSについて聞いてきました。簡単に説明すると、火力発電所等において発生するCO2を分離・地下貯留するというものです。
CCSで回収したCO2の利用方法には、
1.光合成に用いバイオマスを作る
2.オイルサンドにCO2を通すことで取り出しにくい石油を採取する(これをCCS-EOR (Enhanced Oil Recovery)と呼びます)
といった2があります。
イベント名は"The ability of clean fossil and non-fossil energy to fulfill sustainable development goals" (持続可能な開発目標を達成するためのクリーンな化石燃料と非化石燃料の特徴) で、持続可能な開発に対し各々のエネルギー源の良い点・悪い点を考え、クリーンエネルギー・技術が如何に貢献できるかを探るという趣旨です。
連日石炭を中心とした化石燃料に対する否定的な意見が聞かれるなか、中東の方がクリーンな化石燃料について何を喋るのか興味がありました。ちなみに、中東地域は水不足に苦しむ国が多く、気候変動が進むことによりますます雨が降りにくくなることが懸念されています。石油産業という自国の経済とそれが生み出す水不足の促進というジレンマに直面しています。
中東の石油会社の方が語っていたのは、CCS-EORを行うことにより産出量が増え、企業(国)が潤うと同時に地下貯留で大気中のCO2濃度に影響を与えない素晴らしい技術だ、ということでした。
化石燃料に対し批判的なアクションを行っていた人はこれをどう受け止めるのでしょうか。埋めるので許容するのか、それとも石油を使い続けることが再生可能エネルギーへのシフトを妨げるものなので批判的に捉えるのか、それとも全く別の捉え方をするのか。COPというと排出量削減というイメージを持つ方もいるかと思いますが、サイエンスから提供された情報をどのように解釈するのか、技術といかに向き合うかといった考えを共有・議論する機会も提供されています。
さて、COP会場では毎日趣向を凝らしたアクションが行われています。あの有名な化石賞も数あるアクションの一つで、昔から継続して行い今では多くのメディアに取り上げられるまでに至っています。アクションを行うには気候変動枠組条約の事務局に申請する必要があり、以下で紹介するアクションも許可されたものです。
8日の昼 ユースによる大きなアクションが行われました。写真はそのときの様子です。テーマは石油を筆頭とする化石燃料産業への批判です。
Corporate Capture≠Solution
石油会社が連携し独占することは気候変動の解決策にならない。つまり、既存の産業体制のままでは気候変動を食い止めることはできないというメッセージです。
Get Fossil Fuels Out of COP
化石燃料をCOP会場から追い出そう
サイドイベント・パビリオンイベントでは交渉と同じく様々なテーマで行われています。資金(Finance)、減災(Disaster Risk Reduction)、炭素市場(Carbon market)、二酸化炭素地下貯留(CCS: Carbon-dioxide Capture and Storage) など多岐に渡ります。5日に行われたサイドイベントで個人的に興味のあるCCSについて聞いてきました。簡単に説明すると、火力発電所等において発生するCO2を分離・地下貯留するというものです。
CCSで回収したCO2の利用方法には、
1.光合成に用いバイオマスを作る
2.オイルサンドにCO2を通すことで取り出しにくい石油を採取する(これをCCS-EOR (Enhanced Oil Recovery)と呼びます)
といった2があります。
イベント名は"The ability of clean fossil and non-fossil energy to fulfill sustainable development goals" (持続可能な開発目標を達成するためのクリーンな化石燃料と非化石燃料の特徴) で、持続可能な開発に対し各々のエネルギー源の良い点・悪い点を考え、クリーンエネルギー・技術が如何に貢献できるかを探るという趣旨です。
連日石炭を中心とした化石燃料に対する否定的な意見が聞かれるなか、中東の方がクリーンな化石燃料について何を喋るのか興味がありました。ちなみに、中東地域は水不足に苦しむ国が多く、気候変動が進むことによりますます雨が降りにくくなることが懸念されています。石油産業という自国の経済とそれが生み出す水不足の促進というジレンマに直面しています。
中東の石油会社の方が語っていたのは、CCS-EORを行うことにより産出量が増え、企業(国)が潤うと同時に地下貯留で大気中のCO2濃度に影響を与えない素晴らしい技術だ、ということでした。
化石燃料に対し批判的なアクションを行っていた人はこれをどう受け止めるのでしょうか。埋めるので許容するのか、それとも石油を使い続けることが再生可能エネルギーへのシフトを妨げるものなので批判的に捉えるのか、それとも全く別の捉え方をするのか。COPというと排出量削減というイメージを持つ方もいるかと思いますが、サイエンスから提供された情報をどのように解釈するのか、技術といかに向き合うかといった考えを共有・議論する機会も提供されています。
さて、COP会場では毎日趣向を凝らしたアクションが行われています。あの有名な化石賞も数あるアクションの一つで、昔から継続して行い今では多くのメディアに取り上げられるまでに至っています。アクションを行うには気候変動枠組条約の事務局に申請する必要があり、以下で紹介するアクションも許可されたものです。
8日の昼 ユースによる大きなアクションが行われました。写真はそのときの様子です。テーマは石油を筆頭とする化石燃料産業への批判です。
Corporate Capture≠Solution
石油会社が連携し独占することは気候変動の解決策にならない。つまり、既存の産業体制のままでは気候変動を食い止めることはできないというメッセージです。
Get Fossil Fuels Out of COP
化石燃料をCOP会場から追い出そう
石油業界への批判的なメッセージ
化石燃料会社を追い出そうというシャツ。Shellを名指しで批判するメッセージも
ナイジェリアの方(青い服)が石油産業への意見を演説
このアクションも含めClimate Justice=気候正義 という言葉を多くのアクションで聞きます。一方的に危害を加えるような行為を許さない姿勢が強くでています。
企業を名指しで批判するアクションは初めて見ました。それだけでも個人的にはインパクト十分でしたがさらに続きました。表向きにはこれでアクション終了でしたが、希望者を連れてパビリオンイベントの部屋に押し掛けることに。その部屋ではShellの方が講演をされていました!
殺到する人々、それを追いかけるメディアと野次馬、100人以上が一つの部屋に押し掛け軽いパニック状態に。警備員が駆け付け一触即発と言っても差支えない雰囲気になりました。
人の気迫はすごい!こうしたアクションは影響力があると感じた一方、誰の目にも明らかな状態で攻撃するスタイルは日本には定着しそうにないとも感じました。このアクションによりShell、石油業界はどのように変わっていくのでしょうか。この程度では何も変わらないのでしょうか。
部屋に押し掛ける人々。通路も埋め尽くされた
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