2014年12月10日水曜日

デンマークだより①

 今回はデンマークの首都、コペンハーゲンより、デンマークの環境に対する配慮についての記事をお届けします!

環境境対策先進国として名高いデンマークは、地球温暖化や気候変動に対しての取り組みが盛んに行われています。気候変動枠組条約第15回締約国会議(COP15)ではデンマークが議長国となり、コペンハーゲンでの会合を主催しました。

再生可能エネルギーの利用や風力発電が盛んなのもデンマークの特徴で、「エコ大国」としてデンマークの名前を聞いたことがある方も多いかもしれません。

このような国際的な活動のほか、デンマークではリサイクルや自転車通勤をはじめとする身近な活動も盛んです。

今回は、私がコペンハーゲンでデンマーク人家族と過ごしている間に感じた、身近なエコ・環境問題対策、特にリサイクルやごみ分別について書きたいと思います。


図1:アパートのリサイクル可能製品のゴミ置き場
図1は私の住んでいるアパートの敷地内にあるリサイクル可能製品のゴミ捨て場で、奥からプラスチック、紙、段ボール、手前の小さなボックスは電池を含むバッテリー用です。更に、スーパーマーケットにはリサイクルマークのついたビン、缶、ペットボトルを返却するための機械(図2)があり、素材や大きさに応じてキャッシュバックが受けられます。この他輸入品などマークのないビン専用の回収ボックスもあり、色付きのビンとそうでないものを分けて回収しているところもあります。



図2:スーパーに設置されている返却機械。
日本でも牛乳パックやペットボトルの回収ボックスがあり、私の通う大学のゴミ箱も燃えるゴミ、燃えないゴミ、ペットボトルといった分別がなされています。しかし、野菜や果物を買ったときについてくるボックス、コンビニ弁当やサラダなどの容器といったプラスチック製品をきちんと分別している人はあまり見かけないように思います。これらのプラスチック製品を分別し、リサイクルするシステムがデンマークに比べ遅れているとも言えるかもしれません。

 私がこちらへ来て驚いたのは、ほぼすべてのデンマーク人が面倒だと思わずに分別を行っているという点です。スーパーでペットボトルや瓶を返却すると返金がありますが、その他紙やプラスチックのリサイクルは人々の意識なしには達成できないものです。

こちらに来たばかりのころ、私はうっかりトマトの入っていた薄いプラスチックのボックスを通常のゴミと同じところに捨ててしまい、一緒に住んでいるデンマーク人のお母さんに注意されたことがありました。この出来事を通して、デンマーク人にとってリサイクルはして当然で、リサイクルをしないことを見過ごすことはできないのだと感じました。

地球環境センター調べによると、リサイクルによってリサイクルせずに燃やしたり埋め立てたりした場合にごみ処理のために排出される温室効果ガスと、リサイクル製品が作られなかった場合に同等の製品を作るために必要となる燃料消費や資源消費に伴う温室効果ガスの排出を抑えることができ、これはリサイクルをする際に排出される温室効果ガス、すなわち分別して収集・回収するための燃料消費に伴う温室効果ガス、回収した再生原料から再生製品に加工するために必要な燃料消費に伴う温室効果ガスの値を上回っています。更に、石油を利用して作られるプラスチック製品やペットボトルは燃やしてしまうと温室効果ガスを発生させる上、有限資源と言われている化石燃料である石油を同時に消費します。
 
 たかがリサイクル、されどリサイクル。
 こうした小さな動きを、日本をはじめとする他の国々にも広めて行ければと思います。


ひまわり

0 件のコメント:

コメントを投稿